高速オワタ三段落

個人的なメモ帳

 2年前に入院した時に、隣の患者(元教師)と若い看護士の会話を今でも覚えている。


 先生「娘がね、30過ぎても独身で一人のほうが気が楽で、結婚なんかしないって言うんですよ」

 看護士「そうですか」

 先生「それでね、あのー大河ドラマに出てた坂本龍馬役の、えーっと誰だったかな名前忘れた」

 看護士「福山雅治!」

 先生「そうそう、福山雅治福山雅治となら結婚するのって娘に聞いたら、
すぐするって」

 看護士「ですよね(笑)」


 さて、よくある世間話を、なぜ2年後も覚えているのかというと、まず元教師の先生が別の看護士にも10回ぐらい全く同じ話をしていたから。正直、うんざりしてました。だが、何度も聞いているとあることに気づく。先生は、何度も同じ話をしているのにも関わらず、「それでね、あのー大河ドラマに出てた坂本龍馬役の、えーっと誰だったかな名前忘れた」というフレーズを必ず使い、聞き手に「福山雅治」という解答を求める。先生の状態は正常で、受け答えはしっかりしている。なぜ、福山雅治で惚けるかというと、やはり、聞き手を話に引き込む為なのかと、教師特有のテクニックなのかと感銘を受けた。話の内容は平凡だけど、先生の話は女性看護士にウケが良かった。日常的な話でも工夫することにより、人との壁を下げることができる。先生の福山雅治の話も、その一種だろう。